合気道と人生

合気道は他の武道と違って、二人で努力して技を作る。
空手や居合道では一人で形を練習することが多い(空手は分解や組手もありますが、一般の方は空手と言えば形が浮かぶでしょう)。
柔道や剣道は二人で稽古しますが、お互いに技をかからないように抵抗し、自分の技をかかるように頑張ります(約束稽古もありますが、一般の方の印象は試合でしょう)。
合気道では技をかかる方は「トリ」と言い、技を受ける方は「ウケ」と言います。二人の役割を生かして技を作ります。どちらが努力しなかったら稽古になりません。力比べ、抵抗、踏ん張りなどのように邪魔することも稽古になりません。ウケはトリに邪魔しないで、動きに合わせます。トリはウケの動きを感じながら、適切な技をかけます。
人生は一人で過ごすことはできません。二人以上で行動することによって人生は過ごしやすいでしょう。合気道は人生と同様に二人がいないと成り立しません。合気道は「二人の努力によって素晴らしいものが出来上がる」と教えています。自分だけ強くするではなく、皆はお互いに引き上げて、成長することは中心の考え方です。
これは難しいことです。人間のエゴは邪魔になります。ウケは倒れることは負けていることと誤解し、トリは人を制することは勝っていることと誤解することが多い。またはウケは素直で、トリは依怙地と誤解することもある。これは全く違う考え方です。
二人の役割を生かして技を作ります。これはあまりに大切な考え方で繰り返して書いてしまいました。
上級になるとウケはトリの技の弱点を探して返し技をかけるようになります。同様にトリはウケに突き間を見せないで無理なく制するようになります。これしながらお互いに怪我しない・させないように心がけているので、楽しくて面白い関係が作れます。
合気道は人生と同じです。どっちも一人でできない。